おばさんのひとり言

2児の母である私の日記と雑記。将来の夢は好きなことをぼやいて飯を食うこと

自宅の前でホタルを見る

うちは田舎だ。

何の変哲もない田舎だ。

 

ただ、東京にいた頃「〇〇県って田舎でしょ・・・ぷw」みたいな反応をされていささかイラっとした回数は少なくない。

なんなら地方出身者には「お前ンとこのが田舎じゃろ(何弁)」と突っ込みたくなるようなこともあった。

 

しかし、だ。

必死になって弁明すればするほど「わかったから、ハイハイ田舎モンワロスワロス」みたいな雰囲気になるであろうことは想像できたし、実際田舎であることには変わりないので肯定寄りの受け流しをしていた。

 

ちなみに車でちょっと行けば、恐らく知り合いの方々が思い描いているような森に囲まれた狸に化かされそうな田舎も市内にはある。

 

だがしかし、我が家は市内では割と都会なのだ。

周りは住宅ばかりでこれと言った娯楽施設は何にもないものの、駅徒歩3分、スーパー徒歩5分圏内に2件(100均、洋服屋などもあり)、内科・皮膚科・外科なども徒歩5分以内、長男の保育園徒歩5分と、生きて行く上で困ることはほぼない。

ちなみに知り合いのオバサン曰く「あんたのウチは〇〇市の一等地」らしい。そんな一等地も坪単価は安い。まぁ、結局は田舎だから仕方がない。

 

では逆にどれくらい田舎なのかを考えてみると、駅は近くても電車の本数は少ない。1時間に3本程度だ。駅前商店街は今や閉店街と化しており、栄えているのは国道周辺。

24時間営業しているのはコンビニと、唯一あるチェーンのファミレスぐらいだった気がする。マックはあるが24時閉店だ。

 

車がないと楽しいところには出かけられない、そんな場所であることは確かだ。

 

そんな田舎だから当然だと思われるかもしれないが、我が家の前を流れる川ではホタルが見られる。

昨年、ポツポツと光が舞っているのを確認でき、今年はその数倍?という程多くのホタルを連日見ることができた。

玄関開けたらホタルがブワ!という訳にはいかないが、ちょっと出れば見られるので、見られると分かってからはお風呂上りから布団に入るまでの時間に連日ホタルを見に行った、パジャマで。

 

薄暗いから良かったものの、2度ほど知り合いに遭遇した。それでもパジャマで行くのだから自己責任である。風呂の時間をずらすのは面倒だし、別に私のスッピンパジャマなど誰も興味がないので特に問題はない。

なんなら私は朝のゴミ出しも同じ様相で行うような人間なので、もしかしたら朝も目撃されているかもしれない。

 

それはさておき、住宅街を流れる川で見られるホタルは、我が家だけでなく多くの家庭の心を揺さぶったようで、毎晩家族連れや散歩中のご夫婦など、ホタルを見ている人はたくさんいた。

 

長男は「あ!あそこ!いた!きれ~」と感激し、次男はわかっているのかいないのか「お~」と声をあげて光のあるところを指差しているように見えた。

 

そんな子供たちを見ると、私も嬉しい気持ちになる。

そして、あぁ私今、最高に幸せだなぁと思う。

 

しかし同時に気付いてしまうのだ。

こんな時間は、人生のうちのほんの一瞬なんだ、と。

 

だから大切にしたいのに、笑顔でいてほしいのに、毎日毎日ガミガミと怒ったりため息をついたりしてしまう。

子どもたちから無条件に注がれる愛情を、永遠に続くものだと勘違いして、私はその愛情と優しさに甘えてばかりだ。

 

このままでいいのだろうか、そんなはずはない。そう思い、今日こそは穏やかでいよう、明日は大声を出さないようにしよう、と思うのに、私はまた繰り返してしまう。

親として、子どもと一緒に成長しているどころか子どもに助けられてばかりだ。

 

子どもは3歳までが可愛い、いや10歳だ、いやいやいくつになっても可愛い、と色々なことを言う人がいる。

しかし生意気だろうがいたずらばかりしようが、ぎゅっと抱きしめさせてくれる、ほっぺにチューしてくれる、ママ大好き!と言ってくれるなんてことは、あと何年も続くことではないはずだ。

可愛さの内容は、子どもの年齢によって変わってくると思う。

だから、大きくなった子どもたちもきっと、絶対に可愛い。

 

だけど長男の手を引き、次男を抱いて歩いた夜は、振り返ればほんの一瞬の思い出だ。

 

来年もホタルを見に行こうね、そんな約束をしたけど。

お兄ちゃんは手を繋いでくれるかな

弟は1人でしっかり歩けるかな

そんなことを思うと、胸の奥がぎゅっと苦しくなる。

 

子供たちと過ごした時間は、あっという間に終わってしまう。

それでも取り出してみれば、川辺を舞うホタルたちのように、私の掌の中で美しく輝いてくれる。

 

さっき久々に「ママ、ホタルいるかな?」といった長男の言葉を、寝かしつけのことで頭が一杯で「いないよ」と一蹴してしまった。

明日はホタル、見に行ってみようかと声をかけてみよう、と思う。