おばさんのひとり言

2児の母である私の日記と雑記。将来の夢は好きなことをぼやいて飯を食うこと

私はクレーマーになれない

先日非常に腹立たしいことがあった。

 

土曜日の午後のことである。

夫が不在だったので、私は息子たちと実家にいた。

両親はジムに体を動かしに出掛け、私たち親子はエアコンの効いた涼しいリビングで昼寝でもしようか、ということになった。

 

1歳半の次男はもちろん、保育園でお昼寝をする3歳半の長男もまだまだ朝が早ければ昼寝が必要。

私も夜仕事をするので昼寝をしなければ体力が持たない。

 

そんな訳で3人で並んで横になっていたところ、インターホンが鳴り目が覚めた。

寝起きだしまだ眠いし、正直スルーしようと思った。

すると間髪を入れず鳴る2度目のインターホン。

そして「すいませーん!」の声。

 

・・・うるせぇ。

 

そう思いながら体を起こそうとすると、2度目のピンポンが鳴り終わった途端に再度鳴らされるインターホン。

そして「郵便局で―す!すいませーん!」という大きな声。

 

覚醒する次男。

明らかに開けられている玄関。

 

全てに怒りしか覚えなかった。

苦労して寝かせたのに次男を起こされたこと。

意味不明にインターホンを連打されたこと。

鍵が開いていたとはいえ勝手に玄関扉を開けられていたこと。

 

仕方なく玄関に出ると、郵便局の配達員がいた。

「着払いでーす!〇〇円になります!」とのこと。

「お金取って来るんで待っててください」と言い残し財布を取りに戻ると、次男は再度入眠していた。

玄関を開けられたことへのモヤモヤは収まらなかったが、子どもを起こされたことへの怒りはやや鎮火し、お金を持って玄関に戻った。

 

・・・いない。

ヤツがいないのだ。

恐らく何か用事があって車に戻ったのだろうが(どうやら車を移動していたらしい)、配達員が消えている。

それだけでも不可解なのに、更に私を不愉快にするものが目に入った。

 

全開になった玄関だ。

 

引き戸タイプの玄関がこれでもかというくらいに全開だった。

 

もう呆れるしかなかった。

コイツうちに何か恨みでもあんの?というくらい終始酷かったが、怒りを通り越して呆れた。

 

ヤツが帰ってからも、モヤモヤとした気持ちは晴れず、完全に目がさえてしまった。

クレームの電話をしよう、と思った。

 

しかしだ。

電話をしたところで何になるのだろうか?

 

電話に出るのはクレーム処理に慣れているベテランだ。

こちらの怒りを最小限に抑える対応で「文句つけてごめん」という気持ちにすらさせられそうだ。

そもそもやらかした本人ではない人物に「同じ会社のヤツだろうが」と怒り散らす趣味は私にはない。

 

それにもし「〇〇ということがありまして、以後気を付けて頂きたく・・・」と話せば、配達員特定のために高確率で住所や名前を聞かれるだろう。

そしてその配達員は会社から注意を受ける。

匿名でのクレームだったにしても、内容を言えば本人はどこの家からだということは分かるはずだ。

そうしたら逆恨みをされて嫌がらせをされるかもしれない・・・

 

じゃあ「〇〇ということがありました。配達員の特定はこちらが逆恨みされる危険もあってイヤなので行わなくて良いです。社内でなんとなく共有して気を付けてください」とでもいえば良いのだろうか?

どうせ私の性格では「すみません、はい、はい、あ、大丈夫デスヨ、ハイ・・・」なんてヘコヘコとしてしまって余計ストレスになるのが関の山だ。

そんな思いをしてまで電話をして何になるのだろうか…?

 

などと色々と考えるうちにバカバカしくなって、もうクレームを入れるのはやめようということになった。

 

そういえば昔、こんなこともあった。

東京にいた頃にある駅でSuicaに2000円チャージした。

別の駅で改札を出る時、チャージされていなかった。

 

駅員に伝えたら「チャージした駅の機械の中のお金を調べないとわからない」と言われた。

これは正論なので良い。が、コイツの態度がかなり悪かったので、非常に不快だった。

 

私は本当に2000円取られているのに、「お前がウソついてるかもしれねーだろ」という雰囲気がすごかった。

 

結局、2000円余分に機械から出てきた?とか何とかで後日連絡があり、お金を返してもらうことになった。

駅員のクソ対応について絶対に一言いってやろうと思って駅に向かったが、対応した駅員さんが良い人で、この人にグダグダ言ってもなぁ…と思ったら何も言えなくなってしまった。

 

最近も毎朝爆走する保育園の保護者の車が気になっているもののどこにいえばいいのか分からず。

頼んだのと違うモノが出てきても「コレデイイデスヨ」で切り抜け。

理不尽な人への評価も「恩があるし」と良いものを付けたり・・・

 

私はクレーマーになれないのだ。

ただそれは私が良い人だからだとか、大人だからだとか、そんな素晴らしい理由ではない。

 

単にビビリで面倒臭がりだからだ。

逆恨みが怖い、自分が完ぺきでもないのに文句を言うのが怖い、面倒臭いヤツだと思われるのが怖い・・・とにかく怖いのだ。

そしてだったらもう考えるのも何もかも面倒だからやめよう、と思ってモヤモヤを抱えたまま終わってしまう。

 

クレームに限らず、色々なことに関して「何でも良いよ」で自分の意見を押し殺して生きてきた。

この性格のせいで若い頃はそれはもう言いたいことが言えないポイズンのような日々を送り、ストレスも大きかった気がする。

その反動で(?)、酒を飲むと記憶を失って年上のおっさんたちに毒を吐きまくるという非常によろしくない行動を取ったりもしていた。

今となってはそれも良い思い出だ(ということにしておきたい)。

 

しかし私ももう三十路を越えた良いオバサンだ。

守らねばならぬ命も2つ抱えている。

という訳で、昔よりも「何でも良い」ではなくなってきた。気がする。

 

子どものことでもし何かあれば、ブチ切れることぐらいはできるだろう。

もちろん何もないのが1番だけど。

 

とはいえやはり、無駄な労力を使って他人に文句をつけるのは得意ではないので、腹が立ったら得意の「若者は経験がなく、年配者はどうせ先に死ぬ」理論で切り抜けたいと思う。

 

でもきちんと「NO」と声をあげられる人は尊敬する。

夫はそういうタイプだ。

 

それとは別に、反感を買おうが相手を不快にしようが言いたいことを口に出せる人もある意味羨ましいと思っているが、それはまた別のお話。